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環境医学研究所市民公開講座不整脈突然死からあなたを守る

時間 13:00〜16:30
場所

野依記念学術交流館2階

4

進行 神谷香一郎(名古屋大学環境医学研究所教授)
講演 13:00〜
13:05
開会の辞
村田善晴(名古屋大学環境医学研究所長)
13:05〜
13:55

杉薫
杉薫

「怖い不整脈、怖くない不整脈」
杉薫(東邦大学医療センター大橋病院循環器内科教授)
不整脈は正常洞調律という普通の心拍以外のすべての心拍を含みます。ですから、不整脈にはかなり多くの種類があることになります。怖い不整脈はそれが生じるだけで死に至る致死的不整脈や心不全を惹起する可能性のある不整脈であり、怖くない不整脈は症状もなく放置して良い不整脈が該当します。診断は基本的に心電図でおこないますが、詳細については心内心電図を用いる心臓電気生理検査による鑑別が必要になることもあります。治療の適応は突然死を含めた自覚症状の有無とその強弱によって決められます。本日のお話が不整脈の正しい理解の一助になれば幸いです。
13:55〜
14:15

本荘晴朗
本荘晴朗

「不整脈が目で見えます」
本荘晴朗(名古屋大学環境医学研究所心・血管分野准教授)
心臓突然死の最も多い原因は心室細動や持続性心室頻拍と呼ばれる重症の不整脈です。近年、心筋細胞の電気活動を光シグナル変化として観察する光学マッピング技術が開発され、“電気的な渦巻き”が心臓内に形成されることが細動・頻拍の発生に重要な役割を果たすことが明らかになってきました。本講演では、細動・頻拍が発生するしくみやその治療・予防法について、光学マッピングを用いた動物実験の結果を主体に紹介したいと思います。
14:15〜
14:25
休憩
14:25〜
14:55

因田恭也
因田恭也

「心房細動は放っとけない」
因田恭也(名古屋大学大学院循環器内科学講)
心房細動は高齢になるほどよく見受けられる不整脈です。自覚症状がないこともよくあるものの、脳梗塞という致命的な合併症もしばしば見受けられます。そのため脳梗塞のおそれのある場合(高齢、高血圧症、糖尿病、心不全、脳梗塞既往)にはワルファリンによる血栓予防をおこないます。また心房細動を治療し通常の脈に戻すため、あるいは心拍数を調節するために薬物治療が行われます。さらに心房細動のカテーテル治療も行われ、その効果が認められつつあります。本講演では心房細動に対する現在の取り組みを紹介します。
14:55〜1
5:25

渡邉英一
渡邉英一

「危ない不整脈の治し方」
渡邊英一(藤田保健衛生大学循環器内科准教授)
我が国では悪性腫瘍についで、心臓病による死亡者が増加しています。なかでも、心不全と、不整脈が原因でおきる突然死は心臓病の死因の多くを占めています。最近、重症な心不全に対する「両室ペースメーカ治療」や、危険な不整脈を電気ショック等で停止させる「植え込み型除細動器治療」が行なわれるようになりました。本講演では、これらの電気機器による心臓治療の実際について紹介します。さらに、患者さんに植え込まれた電気機器の状態を、医師がインターネットを用いて管理する「遠隔モニタリング」の開発状況についても紹介致します。
15:25〜
15:55

花木芳洋
花木芳洋

「あなたでも救えるいのち」
花木芳洋(名古屋第一赤十字病院救命救急センター長)
心室細動にはAEDによる電気ショックで生命を救うことができます。AEDは心臓マヒで倒れたヒトのいのちを救うことができ、誰にでも簡単に使える優れものの器械です。駅・飛行場などで見たことがありませんか? 愛・地球博以後、日本ではAEDの整備が進んでいます。AEDがあれば、あなたでも救うことのできるいのちがあります。「119への連絡・胸骨圧迫(心臓マッサージ)・AEDを使う勇気……」、それで充分です。最新の心肺蘇生法、AEDの実績等、日本の現状を紹介します。
16:00〜
16:30
パネルディスカッション(質疑応答)